セサミリンゴ

sesame ringo のエスキース的な詩のブログ

みちすじ

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晴れているけれど寒い日
水鳥コートを羽織り
隣の駅まで歩く

青いアネモネの花壇を曲がり
無人の駅も通り過ぎる
美容院
接骨院
テラスのドアの両側には風鈴が2つ
激しく鳴っている
それは
何かのおまじないかもしれないね

アップダウンの坂道を
いつもより大げさな動きで歩いていくと
ヘルメットをかぶった少年は自転車を押して登ってきて
同じリズムで掛け声を発した

公園の林を通り抜けたら
どこまでもどこまでも一方向に連れていく
エスカレーターに乗っている



雨の日

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雨の床には水溜まり
そっと足を乗せなくては
揺れて滑ってしまうのだ

 傘を地中に刺しながら
 通い慣れた道を歩こう

 忘れがちな 中心線をつーと引く

象景

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烏貝の線を辿ると
冷たく苦くなる紅茶には水を足す

「 遅かったね 」と言う横顔
ボサノバ
メニューをもったアイライン
買いものを相談している口紅
乾杯するグラス
揺れるペンダント
でできた空間

構路に入ると満ちている
時刻表に向かう足音達の流れ
追われた眼の女の人は逆行し
 立ち止るとゆっくり左右を見渡して走り去ってゆく

わたしの腕の恐竜は少し重くなった



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