2013年02月
日傘を使っていた季節のパーティで
忘れてしまった
日傘はひと回りして帰ってきたから
朝ぶろに入る
湯気がもくもくもくもく
水に浮いているような情報を吸ったり吐いたりしているだけなんだ
“ float もっと別にあるんじゃない? ”
化石になった魚の骨と希望と呼べるような気分を混ぜて割った
長い息を吐く
湯気が喉を湿らせる
せき込む
もくもくもくもく
無人の駅には
ヒタヒタと足音をさせて
ソーダ水を買いに行こう
頭の芯がスーッとする
冷えた空気の朝には花弁のように
雪が降りている
大きな咳ばらい くしゃみ ため息
車内の空気は曇っている
ひしめき合う
幾人気がついたのだろう
窓は曇っている
もう落書きはしないのだからね
下を向いている 下を向いている 眠っている
読んでいる 検索している 聴いている 下を向いている
停車駅では振り返りもせず
ぐいぐい乗り込む 乗り込む 乗り込むだけ
(あなたの後ろにわたしたちが居るのに?)
南向かい地蔵に明かりが灯っていたら
曇りの日
息は白く遠くまで広がり
諏訪山は煙っている
桜の木の肌はカサカサしてゴツゴツしているけれど毎日
触れて挨拶をするのだ
(あたたかいから)