セサミリンゴ

sesame ringo のエスキース的な詩のブログ

2014年11月

generation

路地物の野菜を売る店で
長芋とほうれん草と山芋を選び
レジに並んでいる

〈 ガラスのジェネレーション
さよならレヴォリューション 〉

ふっ と
流れて来た歌が
わたしをあの子供部屋に連れていく
窓には
青空に虹と飛行機がプリントされた
カーテンが吊ってある

ガラス張りの本棚の中の匂いは変わることなく
子供が集めた宝物が残っていた
きまぐれに
この扉を開き
宝物たちを眺めたり並べ変える
拗ねて寝転ぶ
二段ベッドの下段からは
目に入るカーテンにプリントされた飛行機で
知らない場所にだけ飛んで行ける

トラックの地響きに
家は揺れたがぐっすりと眠れる身体の

それから数年経つと
子供部屋には猪の家族が居つくようになり
ぬた場ができた

クラクションは鳴り
人間の言葉を真似する鳥が
「オハヨウ」と叫び続ける

〈 ガラスのジェネレーション
さよならレヴォリューション 〉

クッキーを焼き上げても
とてもきれいに花を活けても
子供部屋の床はぬた場の湿気と重さで
抜けてしまったようだと
とろろ芋をすりつづけている

〈 本当の事を知りたいだけ
so one more kiss to me 〉


※〈〉内 佐野元春 ガラスのジェネレーションより

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月とじかん 2

てのひらで泥に円を描いている夜
皮膚がザラザラに乾いていくうつろいに
「皆既月食だ」と聞こえてきて

ひと墨ひと墨
の陰を
ベールのように被せられていく月
わたしは海水になった空気を重くかき分け
歩いていく
海賊たちがまつられているという古墳へと

ふいに冷たい風に横顔を撫でられる
レモングラスの匂いは鼻を通り
宙ぶらりんになった気持ちは薫製されていく

わたしの肛門からは
ぬらぬらと
気持ちが抜け出して
思わず月とわたしたちとの時間を量りはじめたようだ

 フック ククック
滲みながらしたたる雫は微かに弾け
その向こうから
光のような気持ちを掬った
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