セサミリンゴ

sesame ringo のエスキース的な詩のブログ

2015年02月

而今

雫は落ちて
流れていく
地面に枝分かれしながら
膨らんだ葉脈のように広がって

先端を伸ばし
水分は染み込んでいく
トーンが暗くなったその線を
蟻が渡る
地図は読み取らなければならない

鋭い鳴き声が空にきえた

必ず行くだろう場所だけれど
どこにあるのかは
まだ
わからない

鳴き声は姿を見せない
すれ違う薫香

ただ進む
午下の道







きらつく

青いビニールシートの空に
蛍光灯

その白くうつくしい光
川底を通る
tunnelでは
桃の葉を重ね続けて唄をうたう女皇が
待っている
いつも

そこへの
垂直移動は大抵エレベーターで
こちらとあちらのドアには
同じDNAだろう警備員が
犬と人間と自転車や
魚と文鳥
それから
数えることが出来ないものを
乗せては
降ろしている

うかぶ
しずむ

いつからか
繰り返し
川面はきらつく

水音は聞こえない
そこは
ひんやりとした空間

あとは孔雀だけなのにと
囁かれ
自転車を押している人は
首をすくめた

すもものあじ

あちらからこちらへ
「 順番なんですよ 」
と聴こえて
川底に繋がれた舟は外れ
また一艘
流れていった








聴許 2

そして干した蜜柑の皮を湯船に放り投げました。
冷えた身が溶けてしまい
歯を食い縛ります。

わずかに霰が降っている朝
猫の寝息に
気持ちを流してみると
白く横長の長方形が重なっていました。

「 あれは何だったのだろう 」と
湯にうなだれて
ユーカリの石鹸を泡立てます。

土ノ上

羽根のように吹かれては巻き上がり
てゅうてゅう
泣いているものがあります。
まい落ちて
てゅうてゅう
てゅうてゅう

降リ積モレ

とめどない祈り
その眼差し達に曝されて

蘇鉄の実は蛍光オレンジ
「 毒があるんですよね 」
大きな葉は揺れることなく
頑なに立っています。

冬空 2

ライチでできたジェラートの色が空を覆う
その雲は煙のようにのっそりとしている

しずかな

白木蓮の木では
見逃しそうになる程にまだ小さく
けれど産毛を生やし尖った芽をつけて
花の支度を休まない
煉瓦敷きの歩道からマーキングの匂いが
冷えた空気を連れて鼻に入ってきて

忘れられたこども用の乗り物は横転し
落とされた片方だけの手袋は踏まれている
佇むボールがひとつ
それから
花壇には山茶花の花が咲く


はるかかなたに
ハレーションを起こしたような叢の
白く放たれたなだらかな台地があり
その空を鳥が飛んでいるのだろう











聴許

そして干した蜜柑の皮を湯船に放り投げました。
冷えた身が溶けてしまい
歯を食い縛ります。

わずかに霰が降っている朝
猫の寝息に
気持ちを流してみると
白く横長の長方形が重なっていました。

「 あれは何だったのだろう 」と
湯にうなだれて
ユーカリの石鹸を泡立てます。

土ノ上

羽根のように吹かれては巻き上がり
てゅうてゅう
泣いているものがあります。
まい落ちて
てゅうてゅう
てゅうてゅう

降リ積モレ

とめどない祈りの中の眼差しをうけて

蘇鉄の実は蛍光オレンジ
「 毒があるんですよね 」
大きな葉は揺れることなく
頑なに立っています。
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