セサミリンゴ

sesame ringo のエスキース的な詩のブログ

2015年03月

仮像

仮像

「混ぜるな危険」のラベルは
剥がされてしまった
ミクストメディアが風骨を
晒しつづけて
匂い立つ!

岩魂に届かせる慟哭に
脱け殻は層群となって

永遠に揺れて大きく弧を描く香

百の日溜まり
蛇たちの巡礼


- めらんじゅ100号企画へ -

あしか

スィーと来て
ターン
スィーと行って
ターン

スィーと
すっぐ帰ってくる
一頭はマイペースに泳いでいます

絞り袋から出したような身体を
ゴロリとして
乾かしているつがいもいて
前の鰭をペラペラ上下させ
呑気そうに見えるけど?

あしかのプールはポツポツの人影で
けれど
桜の蕾は見つめてる
後鰭の形とか
わりと魅力的

青く塗られたプールと
茶系の濃い毛皮の対比が好きで
写生した
小学生のわたし

わたしとあしかの春のひ

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どうぶつたち

マヌル猫がいるというから
緑の座席に運ばれて
市立動物園にいってみる

駅を降りるとすぐに
足の指が1本無い フラミンゴが
意地悪を仕掛けてくる
こんなに天気がよいのに
どうしたのだろう.............

新しい靴で靴擦れをしながら
門を入ると
頭に数個トートバッグを置いて眠っている
お父さんの
ベンチはもう寝台となって

男の子は
おじいさんに見守られながら
おしっこで濡らしたズボンとパンツを下げてしまい
立ちすくむ
その横の花壇では
湯気を立てるパンダの顔形をした豚饅を
食べている親子3人が居て
ベビーカーを覗き込みながら
しゃがむお母さんは
失敗しない春の巻き髪
キャラメルポップコーンの胸が詰まる匂いは
充ちています
そんな風景の中を通る細い道を
イケてるデートの彼氏は
微笑みながら軽やかに通り過ぎた

マヌル猫は
毛色を確認するのも難しい程
太古の遠くに眠っていた

白熊は人工の滝に
諦観しながら
一番上の岩場風な場所に
横たわり
上瞼を白く重くしていく
刹那
オウムのパペットが欲しいとねだる妹は
お姉さんに叱られて
ずっと泣き止まない

象は
頬が削げ
牙が片方折れている
そんな不遇な牙に大切な鼻を乗せ
時には絡ませながら
丸い足をのっしりと規則的に動かして
狭い円形に揺蕩っている
後ろ歩きをしながら
急に足を止めると
ボタボタと大量に排便し
突然ホースを延ばして
排尿をしている
長々と
そうして
スケッチを楽しむ恋人達は
無言になったりした
「そのスケッチブックはどうも小さすぎませんか?」
おばぁさん主導でぞうさんの歌の合唱は
始まります

春風に巻き起こる嚔に
咲き始めた
桜の花は僅かにフフフと笑った

メリゴーランドの鏡は歪んでいて
安っぽいユニコーンが屋根の中心で
雄々しいポーズのまま回っている
この黄金の神話の動物は
きっと
願いを叶えてくれるのだ

真っ赤なフラミンゴミルクを飲みたい

お父さんはまだ眠っている


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ゆくえ

それから
蘇鉄の葉は
全部切られてしまったのです
毒のある実だけを
真ん中に残して

漁船の響きがしてくる

ひそひそひそ
水仙は
噂話で波紋を描く

辻に脱ぎ捨てられたビーチサンダル

ブラスバンドの練習に似た音色で
船は警笛を鳴らし続ける

モンシロチョウ
テントウムシ
露になって
蜂は蜂を食べる

春には

平和なのでしょうか

と羽枕に問われるのです





放哉の春

木瓜の花色に
ほどけて躓きつつ

石の階段を登る
アルコールの混じった血液に肺と心臓が
どよめきながらお伴をする

誰もいないから
涙を流してみよう
ぼち
漬物石と病人の重量は転がっている

海が見えたはずの
春の勾配でポカポカしつつ

手当ては終わってね

海と空の律動が同じになったから
郷愁に奪われてしまった者の
初恋と酒
怒号と誇りも
くくく
この小さな窓から蒸発していきました

春の山の烟は
うたかたの流れに運ばれて

花びらは海に鎮んでいく


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