セサミリンゴ

sesame ringo のエスキース的な詩のブログ

2015年05月

ある日曜日

日曜日だった
スタバはテラス席までいっぱいで
するしかないテイクアウト
だからね
海沿いの防波堤にでも座り
飲ぅもうっと
本日のコーヒーと
季節の果物の
なにか甘いフラペチーノ

防波堤は思ったより高く
ピョンとはいかない
振り返ると
テラス席の人々は建物ごと
難破船に乗っていた
飲み物はこぼれ紙袋を破り

行き先を占うように
黒い羽の鷺は
川と海の混ざる場所に立っている

山田橋の石の欄干に凭れて
飲むことにしたが落ち着かず
肘がザラザラした石目に触れて
手がネチネチする
砂浜の曲線だけはたぶんね
ぜったいに美しいんだけど

橋を渡ると
空手道場では足首に錘を着けて
練習している人がいる
砂の袋を蹴って

どこに辿り着くのでしょうか

わたしたちは
ぽっかりと口を開けた
地下への階段を
降りている








雨またはゆき

回転する寿司店舗を出ると小雨が降っている 駐車場のライトに白く映しだされたそれは回りながら落ちてくる粉雪のよう 雪が眼に入る夜 ゲレンデではリフトがすでに終わり黒い木々に覆われていた 月の薄明かりにギャップが浮かび上がる上級者コースの中腹 強い風の恐怖に立ちすくんでいる 後ろから不意に押されて滑り落ちてしまう瞬間 雪男の白い足だけを覚えている

くるくるくるくる跡を辿る

小さな駅の町に引っ越した 海が見える場所なら忘れてしまえるだろう 幅の狭い商店街がありパン屋を過ぎると果物屋 向かいに居酒屋が2軒ならび ペットボトルのかざ車をつくる豆腐屋は沖縄豆腐も造っていた 古い家屋のクリーニング屋もあるしそのうえそこは九官鳥が店番をしている スーツ姿の人の流れを逆行し 四角い鞄がわたしの膝に激しく当たったが 誰しも黙っている

坂道を帰っていると 運転手付きの黒い車がウツボのようにぬっと現れ驚く 白黒猫はくるりと転がり愛想を振り撒いてくれたけれど ただ坂道を登り続ける しご段の短い階段を駆け上がるとお地蔵さんに出会い赤飯を貰う まだ左側の坂道を登る 大きな幅の石でできた階段を登った先にこんどは鉄でできた細い階段それも登りきる
部屋に着いた
皿は23時までくるくるくるくる回るだろう

雨粒は 見えない細胞を膨らませている

放哉の春2

ぼけの花色に
ほどけて
躓きつつ

石の階段を登る
アルコールの混じった血液に
肺と心臓が
どよめきながらお伴をする

誰もいないから
涙を流してみよう
ぼち
漬物石と病人の重量は
その辺に転がっている

海が見えたはずの
春の勾配でポカポカしつつ

手当ては終わってね

海の鼓動 空の鼓動
は同じになったから
郷愁に心を奪われてしまった者の
初恋と酒
怒号と誇りも
くくく
この小さな窓から蒸発していきました

春の山の烟は
全てを覆う泡の流れに
運ばれて

花びらは海に鎮んでいく
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