セサミリンゴ

sesame ringo のエスキース的な詩のブログ

2015年06月

芍薬の花が咲いた後

2階の北の窓からみる
竹が大きく揺れて
「おいで おいで」
風が呼んでいるのかな?

部屋の扇風機は止まっているけれど
無人の階下では回っている音がする

この竹は黒いから上等なんだ
と長靴を掃いた人は言って
ドミソ ドファラ シレソ
豪華な社宅から
ピアノが鳴る
赤ちゃんを抱いている女の人は門の前に立っていた
まるで閉じ込められたように

「 それって 寂しくないですか?! 」
と笑って言ってる人が悲しくひきつり

家の皺みたいな階段は
襖を開けると突然に現れ
せまくて
急で
奈落のように
真っ黒だ

頼りなく



「おーい おーい」と鸚鵡は呼んでいる
芍薬の花が咲いた後




6月の青空

青空の胸をかりて
公園にいく
改札口はカードを吸い込む途端に
ピンポンと言い放ちドキリとする
乗越し精算機を探していると
笑い声がして
「わたしは時間がかかるからお先にどうぞ。」
いつの間にか人が居たことに薄っすら驚く
シャッターが降りている無人駅の窓口

松の下の縁台に座ると
転がり出る荷物を納めて
日傘の角度を調整し
藍色の海と濁りのない空を
まるごと目に入れる
埃っぽい2号線がそれを引き立たせている

嘆きの蟻の一回り小さい弟は
ぼんやりと立っている
何やらこしょこしょ
蜘蛛は肩口に降りてきていた
ふーふー吹いてあっちにやる

口の中の飴を舐め溶かすように
奥さんの集いやお散歩が静かに行われている
お揃いのボーダーラインのTシャツはね
空に呑み込まれないように
と願うお守り

留守電に声だけを残していった人
また起こるのだろう空白
その時 を予測して

いま わたしは
知らない人の
後ろ姿を見ている









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