マヌル猫がいるというから
緑の座席に運ばれて
市立動物園にいってみる

駅を降りるとすぐに
足の指が1本無い フラミンゴが
意地悪を仕掛けてくる
こんなに天気がよいのに
どうしたのだろう.............

新しい靴で靴擦れをしながら
門を入ると
頭に数個トートバッグを置いて眠っている
お父さんの
ベンチはもう寝台となって

男の子は
おじいさんに見守られながら
おしっこで濡らしたズボンとパンツを下げてしまい
立ちすくむ
その横の花壇では
湯気を立てるパンダの顔形をした豚饅を
食べている親子3人が居て
ベビーカーを覗き込みながら
しゃがむお母さんは
失敗しない春の巻き髪
キャラメルポップコーンの胸が詰まる匂いは
充ちています
そんな風景の中を通る細い道を
イケてるデートの彼氏は
微笑みながら軽やかに通り過ぎた

マヌル猫は
毛色を確認するのも難しい程
太古の遠くに眠っていた

白熊は人工の滝に
諦観しながら
一番上の岩場風な場所に
横たわり
上瞼を白く重くしていく
刹那
オウムのパペットが欲しいとねだる妹は
お姉さんに叱られて
ずっと泣き止まない

象は
頬が削げ
牙が片方折れている
そんな不遇な牙に大切な鼻を乗せ
時には絡ませながら
丸い足をのっしりと規則的に動かして
狭い円形に揺蕩っている
後ろ歩きをしながら
急に足を止めると
ボタボタと大量に排便し
突然ホースを延ばして
排尿をしている
長々と
そうして
スケッチを楽しむ恋人達は
無言になったりした
「そのスケッチブックはどうも小さすぎませんか?」
おばぁさん主導でぞうさんの歌の合唱は
始まります

春風に巻き起こる嚔に
咲き始めた
桜の花は僅かにフフフと笑った

メリゴーランドの鏡は歪んでいて
安っぽいユニコーンが屋根の中心で
雄々しいポーズのまま回っている
この黄金の神話の動物は
きっと
願いを叶えてくれるのだ

真っ赤なフラミンゴミルクを飲みたい

お父さんはまだ眠っている


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